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◆ナオミの充填物語 ビフォー・アフター◆ VOL.0117 2016年10月号  
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 充填機のナオミ━━┛

今月のテーマは・・・・。

「 いい子でいることの怖さ 」

先日、大手広告会社で、新人が自殺したとのニュースを見て、
またこんな悲しいことが、
起こってしまったと辛くなりました。

そのニュースを見て、あることを思い出していました。

12年ほど前、採用の件で、ある人材会社に依頼したことがありました。
そのときに、新卒の女性が担当で来てくれました。

とてもまじめで、いわゆる生真面目で優等生のいい子でした。
何か縁を感じて、その人とは仕事以外でも、プライベートで
食事に度々行ったりするようになりました。

そのうち、仕事の悩みを打ち明けてくれるようになりました。
新卒なので、段取り良く早く仕事が出来ないことで、
毎日のように終電で帰っていること。
そのことで疲れてきて、朝、電車に乗るのが怖くなって
来たこと。

けれども、自分が出来ないのが悪いので、頑張らなければ
周りに迷惑をかけてしまう。
それにせっかく入った会社なので、ここで辞めては
負けになってしまう。

などなど、苦しい思いを聞いて、彼女はすでに、心の病の入り口に
来ているのかもと心配になって、疾病に関して私は素人ですが、
「心が風邪を引いて、高熱を出して今はだめだと
信号を出しているのだから、自分を休ませてあげたほうが良いのでは?
だから会社を休むか、辞めるかを選択した方がいいかも」と。
と、語りかけました。

けれども、優等生の彼女は、そんなことはとてもできませんと
その後も、仕事を続けていました。

しばらくして、本当に家を出ることができなくなってしまい、
休職することにしましたと連絡が来ました。

私は、その連絡を聞いて、ある意味ほっとしました。
体と心が拒否して、彼女を守ったんだと思いました。
これ以上続けると、本当にダメになると。

それから、私は一方的にでしたが、ときどきメールを送り、
彼女の体調を尋ねていました。

本当に苦しいときは、返事もできないことがわかっていたので、
返事がこなくても、いつでもここに味方がいるからねと
伝え続けました。

そして、1年くらい経ったときだったと思います。
彼女の方から、会いたいという連絡が来ました。

私は、嬉しい気持ちと、彼女が今どうなっているんだろうと
いう不安な気持ちで、待ち合わせ場所に向かいました。

すると彼女は、来月から中国に留学しますと、決意した顔で
驚くような報告をしてくれたのです。

いったい、何があったんだろうと私は思いました。

休職した後、やっぱり会社には行けなくて、結局退職したこと。
本当は、ずっとやりたいことがあったのに、親の言うことに
したがって、自分の心に蓋をしてきたことを、
親に初めて言えたこと。

それが、きっかけで少しずつ親とも理解し合えるようになり、
心が楽になっていったこと。
いい子でなくてもいい、自分のやりたいことをしようと
思えるようになったこと。
などを話してくれました。

そして、前から考えていた中国への留学を、親も後押し
してくれたので、決心しましたと彼女は言いました。

私は、それを聞いて涙が溢れてきました。

まだ少し、しんどそうな頼りなげな彼女を、私は
大丈夫かなあと思いましたが、きっと今、どうしても
自分を試したいんだろうと感じました。

よく頑張って、ここまでこれたなあと・・・。
きっと、彼女も辛かっただろうけど、ご両親も
辛かっただろうなあと思いました。

彼女の無事を祈り、再会を約束しました。

それから2年という月日が流れ、彼女は帰国しました。
そのときの彼女は、以前の彼女とは全く違っていました。
自信に満ち溢れ、ピカピカの笑顔で現れたのです。

私は、また泣けてしまいました。
すごいなあ、よく頑張ったなあと感動してしまいました。

その後、彼女は素敵な男性と結婚し、自分らしく幸せに生きて
います。

私は、かつての彼女のように苦しんでいる人を何人も
知っています。
幸い、命を落とすところまでいった人は居ませんが、危うく
免れた人は何人かいます。

いずれも、いい子で頑張り屋で、優等生です。
弱音を吐けない、人に頼れない人たちなんです。

そんな優等生の、生真面目な子どもを持つ親は、育てているときは
子どもが、そんな風になるとは思いもしないでしょうし、むしろ
うちの子はよく出来て、親の言うことを聞いて問題ないと
思っているんだろうなと・・・。

そんな子が社会に出たときに、大きく躓く事もあるようです。

出来ないのは、私が悪いという思考になってしまったりして、
長時間労働をさせる会社に問題がある、パワハラをする上司に
問題があるとは思わない思考になるんです。

大事な自分を守るために、とっとと辞めればいいだけなのに、
それが出来ないのが、生真面目な優等生なんですよね。

自分をむしろ傷つけ続け、果てに心の病になったり自殺
を選んでしまう。

その前に、誰かにしんどい、助けてと言えればいいのですが、
そういう人たちは、迷惑になるからと言えない。

そんな時に、誰かひとりでも弱音を吐ける人がいると、
なんとかやっていけるのですが、意外に頑張り屋さんは、
そんな人もいない場合が多いんです。

みなさんの周りで、あまりに生真面目な優等生で、
すごく頑張っている人がいたら、気にかけてあげて
欲しいです。

そして、話を聞いてあげられることができれば、
ぜひ時間を取って、聞いてあげて欲しいです。

でも、それができそうにないときは、ぜひ
「学び舎 傍楽」の存在を、伝えていただきたいです。

こんなところがあるから、一度訪ねてみればと
一言、言っていただけるだけで、もしかしたら
救われる人がいるかもしれません。

孤独はだめです。
人間には、仲間が必要です。

仕事で死ぬなんて、絶対あってはいけないことです。
今、周りでしんどそうな人がいたら、お願いですから
こんな場所があることを、ダメもとでお伝えして
いただきたいです。

よろしくお願いいたします。

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